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監督 [クラブ経営]

前回からの続きです。

前回は、監督を継続させたことによる成功とそれを支えるクラブの哲学について書きました。こう書いたからといって、なんでもかんでも監督を続けさせた方がいいという訳ではないと思います。フロントが現場を見て、選手と監督の信頼関係やサッカーの方向性など、将来的にいけると判断した上での決定だと思いますが。


貧乏クラブは長期政権が結構多いです。岐阜など本当に困窮したクラブは別で、監督やチームが劣悪な条件を強いられており、それにより監督が長続きしません。こういうスパイラルに入ると、クラブを存続するのがやっとでなかなか地力がつきません。そういうギリギリのクラブは覗いて、J2クラブは基本的にそんなに監督が変わりません。


というのも、お分かりと思いますが、J2中規模のクラスのチームは、監督を交代するコストがもったいないのだと思います。今季途中で監督が変わったのは、間違えてなければJ2では財力のある千葉のみ。監督を変えると、なかなか大変です。コーチスタッフも監督の右腕だったりしますし、途中でチームも作り直しです。


鳥栖に関しては、うまいことやったなと思います。長年鳥栖を見てきたユンはクラブの事をよく知っています。クラブの置かれている状況をよくわかっています。更に、外国人であるが故にへんなしがらみない。岸野監督が築いた「全員でハードワークして最後まであきらめないサッカー」というのは、ユン監督時代も健在で、すっかり鳥栖のカラーになりました。


もうひとつ、ユン監督の重要さは、スカウティングです。去年、若手有望株のキムミヌが欧州移籍失敗した所をポロっととれた事が、今の躍進の一つのポイントになっています。そして、替えの効かないクラッシャーであり足元もあるCBヨソンヘもそうです。ユンのスカウティングによる有望韓国人の獲得が、費用対効果の高い結果をもたらしたといえます。


現有選手の契約動向でどのポジションを取るかは変わってくると思いますが、J1残留を目指す補強の目玉は、ユンがどれだけの選手を(お得に)連れてこれるかにかかっていると思います。仮にキムビョンスクが再契約としても、アジア枠がひとつ残ります。最低予算で挑む以上、通訳などプラスでコストのかかるブラジル人は見送るのではないかと思います。


問題は、結果が出ないときです。今年は連敗しない戦いができました。しかし、来年はわかりません。強豪相手の戦いです。不調の時もあるでしょう。福岡は今シーズン、中途半端な形で篠田監督を解任しました。シーズンも半分過ぎたあたりでしょうか。当時最下位を突っ走っており、残留もあきらめムードが漂っていました。フロントがサポーターや周囲の声に負けたのか、現場を見て判断したのか、それはわかりません。個人的には中途半端な印象でした。なけなしの予算で7月に獲得したハマゾッチもフィットせず、結果的には無駄金をつぎ込んだ事になりました。


余談ですけど、こういう補強の仕方はガンバは上手だなと思います。いきなりブラジルからつれてきてもすぐにフィットするかは微妙です。たぶんフィットしない場合が多い。ガンバは他クラブで成功したブラジル人を取る事で、外れるリスクを限りなくゼロにしています。この辺りが福岡と比較して、フロントとしての経験値の差かなあと思います。


さて、サポーターにできる事は、鳥栖が最低予算である事を十分理解して、監督を支えることに尽きるかと思います。鳥栖ではそういう事はないと思いますが、結果が出ないとき、解任を振りかざすのは、継続させるよりリスクが高いように思います。むしろユンを監督として雇えていることは、コネがあり比較的マニアにはネームバリューもある監督にお得に仕事してもらえてるような気もします。もちろん不甲斐ない試合には批判も必要でしょうが、批判が温いからといって手を抜くような監督でない事は、サポーターの僕らがよくわかっているのではないでしょうか。

続きます。



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