映画「マイマイ新子と千年の魔法」を見た [映画・TVドラマ]
こないだの週末にこの映画を見た。アニメ映画ばっかり見てる人みたいですが。よく調べてないが、監督さんはジブリの製作に関わってた人らしい。
この映画を見るきっかけになったのは、この映画を見ておじさんが泣いているというこの記事だが、見終えた感想から言うと、「おじさんが泣いている」というのに私はどうも納得できない。というのも、この映画の子供にはどうも感情移入できなかったからだ。この子供らを見て、自分の子供時代を思い返したりしない。
<以下ネタバレあり>
どこに違和感を感じるのか考えると、子供ってもっと希望と不安がないまぜになってるもので、ここにでてくる子供たちは、どこか希望の濃度が高い。そして子供のもつ複雑さがあまりない。
もっとも、一般的なアニメよりも、不安の面を描かないわけではない。友達の父親が自殺したり、親友の母親が早くに亡くなってトラウマ持ちだったり、子供が大人の世界の現実に触れるのだが、どうも単調な物語に収まっている。キャラクターの複雑な部分がそぎ落とされてシンプルな性格にデフォルメされている。
正直寒いと思ったのが、みんなで金魚を探しにいって、たつよし君があきらめかけたみんなを引っ張って明日も金魚探しを続けるシーン。「明日みんなでわらおうや」という寒い台詞を掃くのだが、こんな事いう子供あんまりいないだろと思う。いや、子供ゆえにいるだろうが、その言い切った描き方が眩しすぎる。そんなにキラキラしないで。普通はもっと恥ずかしさを隠せない。
あと、バーに殴りこみに行くシーン。いかんだろ、普通。まあ、行く人もいるだろう。しかしあんなにどうどうと渡り合ったりしない。小便チビリそうな恐怖心を我慢しながらの振り絞った強気という複雑な状況を、画面も台詞もどこか単調で、あまり感じる事ができない。
絵は綺麗。しかし、子供のリアリティをもっと深く描くためにもう少しディティールにこだわった演出をして欲しかった。どうしても普遍的な子供像には思えない。
また、原作があるがゆえに、話がところどころ急ピッチで進んでストーリーがよくわからないシーンがある。だいたい各自の想像力で補えるのだが、話の焦点が絞りきれなくなっている部分もあり、正直何が言いたいのかよくわからないかったという人も多いと思う。
とにかく一度ごらんあれ。