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大分トリニータの躓き [クラブ経営]

大資本の後ろ盾のない地方クラブで、J2からJ1に昇格し定着し続けているチームが幾つかあります。すぐに思いつくのが新潟。そして大分も、資金繰り問題が露呈するまで、ナビスコカップを取るなど順調に見えていました。J1一桁順位と、クラブ自体はかなり力をつけてきておりました。下部組織からも優秀な人材を次々と輩出し、今思えば資金さえ集まれば面白い存在ではありました。


大分の経営破たんは大々的に報じられ、社長である溝畑宏氏がかなり槍玉に挙げられていました。2008年にはナビスコカップを制し、溝畑社長はかなりメディアに露出して、やり手の経営者として賞賛を浴びていました。まさかその翌年に、J2降格とともにこれだけ叩かれるとは思ってもみなかったでしょう。


大分の件は、とにかく溝畑宏氏の放漫経営として報道がされており、事の詳細はあまり理解していませんでした。地方クラブとしての生き残りの反面教師として大分の経営破たんの問題を詳しく知りたいと思って調べているうちに、とても素晴らしい本に行き着きました。





社長・溝畑宏の天国と地獄 ~大分トリニータの15年

社長・溝畑宏の天国と地獄 ~大分トリニータの15年

  • 作者: 木村 元彦
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2010/05/25
  • メディア: 単行本





先程読了しましたが、地方のサッカークラブのサポーター、もちろんサガン鳥栖のサポーターにも是非読んで頂きたい一冊です。サッカークラブがどれだけ金食い虫で、特にバックのいない地方クラブで存続を維持していくのが難しいか、よくわかる一冊です。綿密な取材に裏打ちされた、出来る限り客観的な立場でクラブ経営の現場に迫った良質なルポルタージュです。

大分トリニータの破綻の原因は、ほとんどの物事がそうであるように、一概にひとつと断定することはできません。ただ人は、なるだけシンプルに物事を理解したいと欲します。確かに溝畑宏に責任がないかというと、経営責任があります。しかし、ナビスコを取ったり有望な若手を多く輩出するような有望クラブを作ったのも彼の功績である事は間違いありません。彼がいなければトリニータの栄光の歴史はなく、2002日韓WC後あたりにひっそりと幕引きするような歴史をたどっていた事でしょう。


本を読んでいく上で、大分の破綻の原因をいくつか箇条書きしてみると大体こんな感じです。それぞれが絡み合って破綻の原因となっている感じです


・出自が大分県庁主導の官制のクラブであった事

・スポンサー(その構成やスポンサー企業の傾向)

・溝畑宏の経営手腕(特に拡大路線、官僚出身で企業経営者出身でない点)

などなど。現場で弾を受けることのない外野の私なんかに寸評なんかされたくねえよと思うでしょうが、次回からもうちょっと個別に書いていきたいと思います。

寒いし眠いのでこの辺で。


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